申請の概要
在留資格の種類 | 経営・管理 |
申請の種類 | 在留期間更新 |
国籍 | 中国 |
性別 | 男性 |
当事務所への相談の経緯
申請者は過去に弊社にご依頼頂いている方で、日本で合同会社を経営し、日本のエンターテインメントコンテンツを映像化する権利を中国へ輸出する事業を行っている方です。
前回更新時に赤字決算、今回申請時も赤字決算であり、更に今回申請の決算は資本金が減耗していることを心配されていました。
同社はこれまで、新型コロナウィルス感染拡大以前は、順調に販路を拡大しながら好業績を挙げていました。
しかし、2020年に新型コロナウィルスの感染が世界的に急拡大すると、同社の事業にも甚大な影響を及ぼし、2020年の売上はゼロにまで落ち込んでしまいました。
前回更新時に提出した2020年損益計算書は、売上及び営業利益は0円、販売費及び一般管理費は満額、営業損失に回っていました。
この損失補填には、利益剰余金の残高を全額、残りは資本金5百万円のうち百万円を充てました。
今回申請で提出する2021年損益計算書の期首は、利益剰余金の残高は0円、資本金も4百万円弱に目減りした厳しい状況から開始しました。
2021年は新型コロナウィルスワクチンが登場したことなどによる、世界的な規制緩和の動きを受け、中国企業も徐々に事業活動を再開し始めたため、同社もようやく新規契約に向けた商談を取り付けることができるようになっていました。
2021年に進めた商談のうち1つのプロジェクトが期中に契約締結、支払まで完了し、期中の売上として約500万円の収益を上げることができました。
こうして決算は、売上が立ち、これが同社の2021年の運営を支えました。
それでも販売費及び一般管理費を差し引くと当期損益は損失となり、損失補填に資本金を充てましたが、純資産はマイナスに転じました。
申請準備から許可までの流れ
申請では、今後赤字決算は続かないこと、そのために今後売上につながる受注があることをアピールすることをポイントとしました。
2021年に進めた商談を見ると、主に4つのプロジェクトがあったことが分かりました。
そして今期は、残り3つのプロジェクトが受注につながっていたことが分かりました。
入管への理由書では、2021年の事業活動はプロジェクトの商談そのものが主となり、プロジェクトそれぞれに準備期間や開発期間が異なるために、商談を進めたプロジェクト全てがその年の売上に即反映される訳ではないことから、今回売上が奮わなかったに過ぎないことを説明しました。
また、今期の主な業績として、前期に進めたプロジェクトのうち、大型プロジェクトについて、契約内容の詳細を添付し、今期の決算では、この契約により多額の売上が見込まれ、固定費である販売費及び一般管理費が例年どおりと見込むと、前期に生じた純資産のマイナスを考慮しても黒字化する見通しであることを説明しました。
そして、前期決算では純資産がマイナスにはなりましたが、今期の決算ではそれを考慮しても黒字化する見通しであると結論付けました。
その結果、約1か月ほどで更新の許可が下りました。