在留カードとは、日本に中長期間在留する外国人に対して交付されるカードです。
在留カードには、氏名等の基本的身分事項や在留資格・在留期間が記載され、顔写真も貼付されています。
在留カードとはどのようなものなのかを判りやすくご説明したいと思います。
在留カードが交付される対象者
在留カードとは、日本に中長期間在留する外国人に対して交付されるカードです。
中長期在留者とは、日本人と結婚している方や日系人の方(在留資格が「日本人の配偶者等」や「定住者」)、企業等にお勤めの方(在留資格が「技術・人文知識・国際業務」など)、会社経営をされている方(在留資格が「経営管理」)、技能実習生,留学生や永住者の方です。
観光目的などで日本に3ヶ月以下の短期間滞在する方は対象となりません。
在留カードには偽変造防止のためのICチップが搭載されていて、カード面に記載された事項の全部又は一部が記録されています。
在留カードに記載されている項目
在留カードには、氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否などが記載されています。
16歳以上の方には顔写真も貼付されています。
記載事項に変更が生じた場合には変更の届出が義務付けられています。
例えば、住所が変わった場合には居住地の市町村窓口に届出をします。
居住地の変更手続が終わると、在留カードの裏面の「住居地記載欄」に新しい住所が記載されます。
在留資格
在留カードに記載されている項目の中で重要なものの一つに「在留資格」があります。
在留資格とは、日本に滞在する資格です。
例えば、プログラマーとして会社に勤めることで日本に滞在することを許可される場合「技術・人文知識・国際業務」という在留資格が与えられます。
在留資格によっては就労することができないものもあります。
「留学」や「家族滞在」のように原則として就労ができない在留資格であっても、資格外活動の許可をとることで週28時間以内の就労は認められます。
資格外活動の許可が出た場合は在留カード裏面の資格外活動欄に「許可」と記載されます。(詳しくは『資格外活動とは』をご参照下さい)
在留カードの有効期間
在留カードには有効期間があります。
永住者で16歳以上の場合は在留カードの有効期間は交付の日から7年間になります。
永住者で16歳未満の場合は16歳の誕生日までが在留カードの有効期間になります。
永住者以外で16歳以上の場合は在留期間の満了日まで、16歳未満の場合は在留期間の満了日又は 16歳の誕生日のいずれか早い日までが在留カードの有効期間になります。
在留期間は在留資格によって、以下のように異なります。
在留カードの役割
在留カードには2つの役割があります。
1つは、在留カードをもっている外国人が日本に中長期間滞在できる在留資格及び在留期間をもって適法に在留する者であることを法務大臣が証明する「証明書」としての役割です。
もう1つは、従来のパスポートになされる各種許可の証印等に代わって許可の要式行為となる「許可証」としての役割です。
在留カードの携帯義務と罰則
在留カードは常時携帯を法律で義務付けられています。
出入国管理及び難民認定法 (旅券等の携帯及び提示)
第二十三条 第二項 中長期在留者は、法務大臣が交付し、又は市町村の長が返還する在留カードを受領し、常にこれを携帯していなければならない。
在留カードを携帯していなかった場合は以下のように20万円以下の罰金となります。
出入国管理及び難民認定法
第七十五条の三 第二十三条第二項の規定に違反して在留カードを携帯しなかつた者は、二十万円以下の罰金に処する。
在留カードの有効性の確認
入国管理局のサイトで失効した在留カードの番号を確認するための情報を提供しています。
以下のページに在留カードの番号と有効期間を入力して確認することができます。
ただし、「問合せ結果は在留カード等の有効性を証明するものではありません。」とされていますので、あくまで確認方法の一つということで考えておいて下さい。
実在する在留カード等の番号を悪用した偽造在留カード等も存在します。
以下のような在留カードの偽装を見破るポイントもご確認下さい。
在留カードに関する届出
在留カードの記載内容に変更があったり紛失したりした場合は入国管理局や市町村の窓口に届出をしなければいけません。
代表的な変更届けをみてみましょう。
在留審査
在留期間更新許可、在留資格変更許可、永住許可や在留資格取得許可は入国管理局へ申請をします。
在留期間更新許可
在留期間更新許可というのは、在留カードの表面の満了日前に有効期間を延長する申請です。
在留資格変更許可
在留資格変更許可というのは、留学生が卒業して企業に勤める場合「留学」という在留資格から「技術・人文知識・国際業務」という在留資格に変更するような場合です。
氏名、生年月日、性別、国籍・地域の変更届出
結婚して姓や国籍・地域が変わった場合など、氏名、生年月日、性別、国籍・地域を変更したときは、14日以内に入国管理局へ届出をします。
在留カードの有効期間更新申請
永住者の方や16歳未満の方で在留カードの有効期間が16歳の誕生日となっている方は、有効期間が満了する前に入国管理局で在留カードの有効期間の更新申請をします。
永住者の方は有効期間が満了する2か月前から、16歳未満の方で在留カードの有効期間が16歳の誕生日となっている方は16歳の誕生日の6か月前から申請することができます。
在留カードの再交付申請
在留カードの紛失、盗難、滅失、著しい汚損又は毀損等をした場合は入国管理局に再交付の申請をします。
在留カードの紛失、盗難又は滅失等をした場合には、その事実を知った日(海外で知ったときは再入国の日)から14日以内に再交付を申請をします。
在留カードの紛失、盗難又は滅失による再発行申請には、警察署で発行される遺失届受理証明書、盗難届受理証明書、消防署で発行されるり災証明書等の疎明資料を持参しなければいけません。
在留カードの著しい汚損又は毀損等が生じた場合には、できるだけ速やかに再交付を申請します。
在留カードに著しい汚損又は毀損等が生じていなくても在留カードの交換を希望する場合、再交付の申請をすることができますが手数料が必要になります。
住居地の(変更) 届出
住居地の変更届出は入国管理局ではなく、住居地の市町村窓口に届出をします。
市町村窓口というのは市役所や町役場の窓口です。
新たに日本に来る場合は、住居地が決まってから14日以内に在留カードを持参の上、住居地の市区町村の窓口で届出をします。
日本に住んでいて住居を変更する場合は、変更後の住居地に移転した日から14日以内に在留カードを持参の上、移転先の市区町村の窓口で届出をします。
在留カードの氏名の漢字表記
中国などのように氏名が漢字の場合はアルファベットと併記して漢字での表記も可能です。
既にアルファベットでの在留カードをお持ちの方で漢字表記を併記したい場合は在留カード漢字氏名表記申出書【PDF】 【EXCEL】を記入して入国管理局に提出します。(出入国在留管理庁:在留カード漢字氏名表記申出)
在留資格の更新時に一緒に漢字表記する場合は費用はかかりません。
漢字表記のみ申請する場合は1,300円の費用がかかります。
市区町村での印鑑登録などで漢字表記が必要になる場合がありますので、漢字表記はしておいた方が便利かもしれません。
在留カードで使用する漢字の注意点
在留カードに氏名を記載する場合、簡体字の表記になるものがあるので注意が必要です。
(注)に書いています例外を除いて、以下の漢字は第1順位の表記方法になります。
特に「刘」という姓の方は「劉」という字で在留カードの登録ができませんので注意して下さい。
- ( 从 )→「从」(第1順位))「従」(第2順位))
- ( 丰 )→「丰」(第1順位))「豊」(第2順位)
- ( 宁 )→「宁」(第1順位))「寧」(第2順位))
- ( 达 )→「达」(第1順位))「達」(第2順位)
- ( 巩 )→「巩」(第1順位))「鞏」(第2順位))
- ( 关 )→「关」(第1順位))「関」(第2順位)
- ( 刘 )→「刘」(第1順位))「劉」(第2順位))
- ( 种 )→「种」(第1順位))「種」(第2順位)
- ( 胡 )→「胡」(第1順位))「鬍」(第2順位))
- ( 姜 )→「姜」(第1順位))「薑」(第2順位)
- ( 娄 )→「娄」(第1順位))「婁」(第2順位))
- ( 荣 )→「荣」(第1順位))「栄」(第2順位)
- ( 栾 )→「栾」(第1順位))「欒」(第2順位))
- ( 蒙 )→「蒙」(第1順位))「濛」(第2順位)
(注)
1 在留カード等の発行時において当該外国人に係る住民票が既に作成されている場合であって,当該住民票の漢字氏名の当該漢字が第2順位のものであるとき
2 過去に我が国への在留歴がある外国人に在留カード等を発行する場合であって,過去字形一致の在留時における住民票又は在留カード等の漢字氏名の当該漢字が第2順位のものであったとき
3 その他,第2順位の正字(異体字)の表記を適当と認めるに足りる相当の理由があるとき
まとめ
いかがでしたでしょうか。
在留カードは非常に重要なものだということがご理解いただけたのではないかと思います。
在留カードには日本に在留するためのさまざまな情報が記載されていますので、特に外国人を雇用する場合は必ず内容を確認することが必要です。