永住許可の厳格化はいつから?

はじめに

永住許可の審査の考え方を示す「永住許可に関するガイドライン」が、令和8年(2026年)10月1日に改定されました。

世帯年収の水準、将来の年金、日本語能力などが考慮要素として新たに明記され、日本人・永住者・特別永住者の配偶者の方の特例に必要な年数も、2027年4月1日以降の申請から延びます。

全面的に適用されるのは令和9年(2027年)4月1日以降の申請からです。

ただし収入に関する部分は、2026年10月1日から、同年4月1日以降の申請(10月1日時点で審査中のものを含む)に適用されています。

どの基準で審査されるかは、申請した日によって異なります。

この記事では、永住許可の厳格化について「いつから」「何が変わったのか」「誰にどう影響するのか」を、出入国在留管理庁(以下、入管庁)の公表資料に基づいて解説します。

なお、一般に「永住権」と呼ばれるのは在留資格「永住者」のことで、これを得るための許可を永住許可といいます。

永住許可の厳格化とは

永住許可の厳格化とは、2026年10月1日の永住許可ガイドライン改定による審査基準の見直しを指します。

改定後のガイドラインは、永住許可の判断には「特に慎重な審査を行う必要」があると明記し、審査で考慮する要素を具体化・追加しました。

まず、改定の経緯と法律上の要件との関係を確認します。

改定までの経緯

2026年1月23日、政府は「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を決定・公表しました。

今回の改定は、この総合的対応策で、永住許可の在り方について見直しを検討すべきとされたことを受けたものです。

改定案は2026年8月4日に公表され、9月3日まで意見募集(パブリック・コメント)が行われました。

意見は5,180件寄せられ、提出意見を踏まえた案の修正はないまま、10月1日に改定されています。

法律上の3つの要件の枠組みは同じです

永住許可の要件は、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)第22条第2項に定められた、素行善良要件・独立生計要件・国益要件の3つです。

日本人・永住者・特別永住者の配偶者又は子である方は、素行善良要件と独立生計要件への適合は求められません。

この枠組みは今回の改定でも変わっていません。要件の全体像は在留資格「永住者」の解説をご覧ください。

一方で、要件の考え方は踏み込んで書かれました。

独立生計要件では「日本人と同等水準以上の経済条件」が求められるとされ、国益要件では、単に国益に反しないだけでなく、積極的かつ具体的に日本に利益をもたらす必要があるとされています(いずれも2027年4月1日以降の申請に適用)。

永住許可の厳格化はいつから?申請時期別の早見表

永住許可の厳格化はいつから?

永住許可の厳格化がいつから自分に関係するかは、改定日ではなく「永住許可申請をした日」で決まります。

入管庁は2026年10月1日に、申請時期ごとにどのガイドラインを適用するかを公表しました。

ご自身の申請日がどの区分に当たるかを、まず確認してください。

永住許可申請をした日適用されるガイドライン
2026年3月31日まで令和8年2月24日改訂版
2026年4月1日〜2027年3月31日(これから申請される方を含む)令和8年2月24日改訂版。ただし収入に関する部分(第2の4(2)・第2の5(7))のみ令和8年10月1日改定版
2027年4月1日以降令和8年10月1日改定版

(出典:出入国在留管理庁「永住許可(入管法第22条)」【お知らせ】「永住許可に関するガイドライン」の適用について(令和8年10月1日掲載))

同じお知らせで、「我が国への貢献があると認められる者への永住許可のガイドライン」は2027年3月31日をもって廃止されることも示されています。

2026年4月1日から2027年3月31日までに申請される方

この期間に申請した方・これから申請される方は、収入の基準(第2の4(2))と「公共の負担とならないこと」(第2の5(7))の2点だけが、改定後のガイドラインで審査されます。

2026年4月から9月までに申請し、10月1日の時点で審査中だった方も対象です。

年金の受給見込額という新たな考慮要素、日本語能力、配偶者特例の延長後の年数などは、この期間の申請には適用されません。

なお、公的年金保険料の納付状況は、従来から審査の対象です。

法務大臣は、改定案を公表した8月4日の記者会見で、収入については改定日の10月1日から適用を開始すると説明しました。

収入は自活が可能かを判断するうえで重要であり、改定後も従前の運用を続けることは適当でないという理由です。

対象を改定日の6か月前以降の申請としたのは、永住許可申請の標準処理期間が4か月から6か月であることを踏まえたものとされています。

在留期間「3年」の扱いと2027年4月以降の経過措置

在留期間「3年」の扱いと2027年4月以降の経過措置

永住許可を受けるには、現在の在留資格で「最長の在留期間」をもって在留していることが求められます。

例えば日本人の配偶者等や技術・人文知識・国際業務では、最長の在留期間は「5年」です。

改定後のガイドライン(注4)では、2027年3月31日までの申請について、在留期間「3年」でも最長の在留期間として扱うとされています。

2027年4月1日以降の申請では、次の3つをすべて満たす場合に限り「3年」でも最長として扱われます。

  1. 2027年3月31日の時点で在留期間「3年」を持っていること
  2. 2027年4月1日以降に行う、初めての永住許可申請であること
  3. 2027年4月1日から、その「3年」の在留期限までの間に結果(処分)が出ること

ただし、2027年3月31日までの申請に適用される改定前のガイドライン(注1)にも経過措置の記載があり、こちらは処分の時期を基準に書かれています。

2027年4月以降に結果が出る見込みの方や、審査中に在留期間の更新が必要になる方は、申請日だけで判断せず、入管庁に取扱いを確認してください。

手数料の改定・永住権の取消し制度との違い

手数料の改定・永住権の取消し制度との違い

2026年から2027年にかけて、永住に関わる制度変更が3つ重なっています。

いずれも「永住の厳格化」として報じられることがありますが、対象となる方も始まる日も異なります。

混同しないよう、次の表で整理します。

制度変更主な内容いつから対象となる方
永住許可ガイドラインの改定(本記事)審査で考慮する要素の具体化・追加2026年10月1日から段階的に適用(申請日で判断)これから申請される方・2026年4月1日以降に申請して審査中の方
在留許可手数料の改定永住許可の手数料が1万円から20万円に2026年10月1日以降に受け付けた申請永住許可を受ける方
永住者の取消事由の追加故意の公租公課の不払いなどを取消事由に追加2027年4月1日施行永住者の在留資格を持つ方(今後永住許可を受ける方を含む)

手数料は永住許可・ビザ更新の手数料の新旧比較で、取消しは永住権の取り消し制度の解説で詳しく解説しています。

在留資格の取消し制度そのものは従来からあり、2027年4月1日に永住者についての取消事由が追加されます。

入管庁は2026年10月1日に「永住者の在留資格の取消しに関するガイドライン」を策定しています。

何が変わった?永住許可ガイドラインの新旧比較

何が変わった?永住許可ガイドラインの新旧比較

今回の改定では、独立生計要件と国益要件について、審査で考慮する要素が大きく書き加えられました。

ここでは、改定前(令和8年2月24日改訂版)と改定後(令和8年10月1日改定版)の主な違いを比較します。

かっこ内は改定後のガイドラインの項番号です。

項目改定前改定後適用される申請
収入(第2の4(2))公共の負担にならず、将来において安定した生活が見込まれること世帯年収が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているか2026年4月1日以降
公共の負担(第2の5(7))国益要件の項目としては記載なし配偶者等の方を含め、世帯が公共の負担となっていないか2026年4月1日以降
年金(第2の4(3))受給見込額の記載なし(年金保険料の納付は公的義務として記載あり)将来の年金の受給見込額2027年4月1日以降
日本語能力(第2の5(8))記載なしB1相当以上(対象外となる方あり)2027年4月1日以降
制度・ルールの理解(第2の5(9))記載なし「生活・就労ガイドブック」の内容を中心に確認2027年4月1日以降
学齢期の子の就学(第2の5(10))記載なし子が小学校・中学校に通学しているか2027年4月1日以降
税金・社会保険料(第2の5(3))納付期限内に納めていない場合は原則として消極評価適切に支払っていない場合に加え、過去に滞納処分を受けた場合なども原則として消極評価。原則として世帯単位で確認2027年4月1日以降
出国期間(第2の5(6))記載なし過去10年以内に、合理的な理由なく1回で半年以上又は通算2年6月以上不在の場合は原則として消極評価2027年4月1日以降
政府の施策への貢献(第2の5(11))記載なし特定在留カードの普及促進や、日本語・制度の学習環境整備などの施策への貢献・寄与も考慮要素2027年4月1日以降
5年以上に数える就労資格(注2)技能実習・特定技能1号を除く技能実習・育成就労・特定技能1号・企業内転勤・一部の特定活動を除く2027年4月1日以降
「10年」に数える特定活動(第5)記載なし継続就職活動・就職内定者など、特例的・一時的な特定活動の期間は10年に算入しない2027年4月1日以降
配偶者の特例(第3の1)実体を伴う婚姻生活が3年以上継続し、かつ引き続き1年以上在留(実子等は継続して1年以上在留)実体を伴う婚姻生活が5年以上継続し、かつ引き続き3年以上在留(実子等は継続して3年以上在留)2027年4月1日以降
特例の対象外(注5)記載なし在留特別許可・上陸特別許可(上陸拒否事由該当者に限る)を受けた方には在留年数の特例を適用しない2027年4月1日以降

※「2026年4月1日以降」の項目は、2026年10月1日から、同年4月1日以降の申請(10月1日時点で審査中のもの)と、その後の申請に適用されています。

(出典:出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定)」、同(令和8年2月24日改訂))

マイナンバーカードと一体化した在留カードについては、特定在留カードの解説をご覧ください。

収入|世帯年収を「日本人世帯の平均」と比べる

収入|世帯年収を「日本人世帯の平均」と比べる

収入の基準は、2026年10月1日から、同年4月1日以降の申請に先行して適用されている部分です。

原則として、申請時点で申請者の属する世帯の年収が「世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」(年収水準)に継続して達しているかが考慮されます。

審査は原則として同一生計の世帯単位で行われ、世帯年収の数え方には次のような決まりがあります。

  • 単身世帯の場合は、申請者本人の年収がそのまま世帯年収になります
  • 「家族滞在」など、資格外活動許可によって例外的・限定的にしか収入を得られない在留資格の家族の収入は、合算されません
  • 成人するなどして父母の扶養から外れている方は、父母の収入を合算せずに判断されます
  • 扶養している親族は、外国に住んでいて同居していなくても世帯人数に加えます
  • 世帯人数が5人以上の場合は、生活費等の増加分が年収水準に加算されます

ガイドラインに具体的な金額は示されておらず、どの程度の期間「継続して」いることが求められるかも示されていません。

入管庁は、2026年10月1日に公表した意見募集の結果で、年収水準・受給年金水準・補填資産額の具体的な額は、審査の実効性等の観点から公表を予定していないとしています。

インターネット上には統計から算出した目安額を示す情報もありますが、入管庁が示した基準額ではない点にご注意ください。

年金|将来受け取れる年金の見込額

2027年4月1日以降の申請では、将来受け取れる年金の見込額(受給見込額)も考慮されます。

比べる基準は、年収水準の収入で30年間働き、その間厚生年金に加入していた場合の年金の見込額です。

見込額が届かない場合でも、不足を補える金融資産(補填資産)があれば、基準に達しているものと評価されます。

補填資産の基準は申請時の年齢に応じたもので、若い方ほど低くなります。

配偶者がいる場合は、夫婦の見込額を合算したうえで、比べる基準にも、配偶者が同じ期間国民年金の第3号被保険者だった場合の見込額が加えられます。

補填資産の基準も同様に加算されます。

日本語能力・制度の理解・子どもの就学

日本語能力・制度の理解・子どもの就学

2027年4月1日以降の申請では、地域社会に円滑に適応できるかという観点から、次の3点が新たに考慮されます。

  • 日本語能力:「日本語教育の参照枠」のB1相当以上。ただし、高度人材外国人とその家族、学校教育法に定める初等教育・中等教育を累計6年以上受けた方、日本で生まれ、B1相当以上の日本語能力を持つ親に養育されている永住者の子などは対象外とされています
  • 制度・ルールの理解:入管庁長官が指定する方法で、入管庁の「生活・就労ガイドブック」の記載事項を中心に確認されます
  • 学齢期の子の就学:義務教育の年齢の子が、小学校又は中学校に通学していること(申請者本人が学齢期の場合は、本人が通学していること)

B1相当の判定に用いる試験や、制度・ルールの理解を確認する具体的な方法は、ガイドラインには示されていません。

意見募集の結果では、日本語能力の評価方法や試験等は2027年4月の運用開始までに検討・公表し、制度・ルールの理解の確認方法も運用開始までに検討するとされています。

税金・社会保険料・届出義務・刑罰の見方

国益要件のうち、公的義務と刑罰法令違反の記述も具体的になりました。

  • 税金・社会保険料:申請時点で未納がなくても、過去に滞納処分を受けたなど適切に支払っていなかった状況があれば、原則として消極評価となります。原則として世帯単位で審査されます
  • 入管法上の義務:住居地の届出や在留カードの携帯などについて、過去の違反が判明した場合も原則として消極評価となります
  • 刑罰法令違反:拘禁刑(懲役・禁錮を含む)や罰金刑を受けた方、ガイドラインが列挙する少年法上の一定の保護処分を受けている方は、原則として消極評価となります

申請される方のタイプ別の影響

永住許可の厳格化の影響は、現在の在留資格や家族構成によって異なります。

ここでは代表的な4つのタイプについて、特に確認しておきたい点を整理します。

ご自身に当てはまる項目からご確認ください。

なお、改定後のガイドラインでは、在留特別許可又は上陸特別許可(上陸拒否事由に該当する方に限る)を受けた方には、配偶者・定住者・高度人材などの在留年数の特例は適用されず、許可後に原則どおり引き続き10年以上の在留が求められます(2027年4月1日以降の申請)。

日本人・永住者・特別永住者の配偶者の方

日本人・永住者・特別永住者の配偶者の方

配偶者の方は、法律上、独立生計要件への適合は求められません。

ただし改定後のガイドラインでは、世帯が現に公共の負担となっている、又はそのおそれが現実的である場合で、そうなったことに特段の事情が認められないときは、消極評価をすることがあるとされています。

この部分は2026年4月1日以降の申請に適用されており、家族単位での在留の安定や人道的な配慮を重視して総合的に判断されます。

2027年4月1日以降の申請では、実体を伴う婚姻生活が5年以上継続し、かつ引き続き3年以上日本に在留していることが、在留年数の特例の条件となります。

詳しくは日本人の配偶者の永住権申請の解説をご覧ください。

就労資格(技人国・経営管理など)の方

就労資格(技人国・経営管理など)の方

技術・人文知識・国際業務や経営・管理などの方は、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格又は居住資格で引き続き5年以上在留していることが求められます。

2026年4月1日以降の申請では世帯年収が、2027年4月1日以降はさらに年金の受給見込額と日本語能力が考慮されます。

2027年4月1日以降は、「5年以上」に数える就労資格の範囲も変わります。

改定後のガイドラインは、育成就労・企業内転勤・一部の特定活動も就労資格から除いています。

企業内転勤で在留している方や、過去に在留していた方は、在留歴の数え方への影響を個別に確認されることをおすすめします。

また、改定後のガイドラインの第5は、一部の「特定活動」の期間を、就労資格での「5年」だけでなく、原則として必要な在留期間の「10年」にも算入しないとしています。

継続就職活動、就職内定者、日本の大学等を卒業して起業活動を行う方などが例示されています。

「特定活動」という名称だけで判断せず、指定された活動内容と在留歴を確認する必要があります。

経営者の方は経営・管理ビザからの永住権申請の解説もご覧ください。

高度人材(ポイント70点・80点)の方

高度人材のポイントを利用した在留年数の特例は、改定後も維持されています。

70点以上の場合は必要な点数を維持して3年以上、80点以上の場合は1年以上、継続して日本に在留していることなどが必要です。

高度人材外国人として在留していない方がポイントを用いる場合も、申請日の3年前(80点以上は1年前)の時点で点数を満たし、その後も継続して点数を有していることが求められます。

申請時点で必要な点数に達しているだけでは足りない点にご注意ください(特別高度人材の基準に該当する方は、1年以上の継続在留などが条件です)。

なお、高度人材外国人とその家族は、日本語能力の考慮要素の対象外です。

一方、ガイドライン上、高度人材の方を収入(2026年4月1日以降の申請)や年金の受給見込額(2027年4月1日以降の申請)の考慮要素から除く記載はありません。

ポイント計算は在留資格「高度専門職」の解説をご覧ください。

定住者・家族滞在の方

「定住者」で5年以上継続して在留している場合の特例は、改定後も変わっていません。

一方、「家族滞在」のご家族の収入は、資格外活動許可による例外的・限定的な収入にすぎないとして、世帯年収に合算しない扱いが明記されました(2026年4月1日以降の申請に適用)。

配偶者のアルバイト収入を世帯の収入として見込んでいた方は注意が必要です。

これから永住許可を申請される方が準備できること

これから永住許可を申請される方が準備できること

ガイドラインの改定後も、永住許可が法務大臣の広い裁量による判断であることは変わりません。

申請の時期を決める前に、次の点を確認しておくと、準備の不足に気づきやすくなります。

  1. 申請時期の区分を確認する:早見表で、ご自身の申請日に適用されるガイドラインを確認します
  2. 世帯の収入を資料で示せるようにする:課税証明書などで、複数年の収入の推移を確認します
  3. 税金・年金・健康保険の納付記録を確認する:期限内の納付か、過去に滞納処分を受けていないかを、世帯の分も含めて確認します
  4. 在留期間と在留期限を確認する:在留期間「3年」の方は、経過措置の3つの条件に当てはまるかを確認します。永住許可申請中に在留期限が来る場合は、別途、在留期間更新許可申請が必要です
  5. 出国の記録を整理する:過去10年間の出国の期間と理由をまとめておきます
  6. 入管庁のチェックシートを使う:永住許可申請のページに在留資格別のチェックシートがあります

改定前のガイドラインが適用される時期に申請するかどうかは、要件を満たしているかで判断されることをおすすめします。

不許可となって2027年4月1日以降に申請し直す場合は、改定後のガイドラインが適用されます。

よくある不許可・トラブル事例

よくある不許可・トラブル事例

永住許可の審査では、収入・納付状況・在留歴を資料で十分に説明できるかが、結果を分けるポイントになりやすい傾向があります。

ここでは弊事務所の申請事例から、今回の改定と関係の深いケースを紹介します。

いずれも改定前の基準のもとで許可された事例であり、2027年4月1日以降の申請では判断が異なる可能性があります。

ケース1:出国の回数・期間が多い職業の方

仕事で海外への出国が多い方は、日本での生活の継続性が問題になりやすい傾向があります。

改定後は合理的な理由のない長期不在が原則として消極評価とされたため、出国の理由を資料で説明できるかがより重要になります。

海外遠征への随行で出国が多かった方について、出国がやむを得なかったことを示す書面を関係者から集めて申請した事例があります。

海外に出国する回数・期間が多い職業の方の永住許可事例 ※個別事案により判断は異なります。

ケース2:日本での在留期間が短い日本人の配偶者の方

婚姻期間は長くても、日本に移住してからの期間が短い方は少なくありません。

改定前の特例のもとでは、移住から1年半弱で許可された事例があります。

2027年4月1日以降の申請では、引き続き在留している期間の要件が1年以上から3年以上に延びるため、同じ状況でも申請できる時期が変わります。

日本に移住してから1年半弱で永住許可を得た事例 ※個別事案により判断は異なります。

ケース3:国民年金の納付を書類で示しにくかった方

国民年金・国民健康保険に加入している個人事業主の方などは、期限内に納付したことをご自身の資料で示す必要があります。

領収書が一部しか残っていなかった方について、納付の経緯を理由書で説明した事例があります。

国民年金の領収書がそろわなかった方の永住許可事例 ※個別事案により判断は異なります。

ケース4:過去に逮捕歴がある方

ガイドラインでは、拘禁刑・罰金刑を受けた方や、少年法上の一定の保護処分を受けている方は、原則として消極評価とされています。

過去の事案がある方は、その後の生活状況をどう説明するかが重要になります。

10年以上前の事案について、その後の生活状況や反省の経緯を資料で説明し、許可された例もあります。

逮捕歴のある方の永住許可事例 ※個別事案により判断は異なります。

よくあるご質問

よくあるご質問

永住許可の厳格化について、よくいただくご質問にお答えします。

改定直後で判断に迷いやすい点を中心に取り上げます。

Q:年収はいくらあれば永住許可を受けられますか?

ガイドラインに具体的な金額は示されておらず、入管庁は具体的な額の公表を予定していないとしています。

基準は世帯人数によって異なり、一定の年収を超えれば許可されるという性質のものでもありません。

収入の継続性や納付状況などとあわせて総合的に判断されます。

Q:日本語能力のB1相当は、どの試験で証明すればよいですか?

2026年10月時点で、ガイドラインには判定に用いる試験や資格は示されていません。

入管庁は、評価方法や試験等を2027年4月の運用開始までに検討・公表するとしています。

日本語能力が考慮されるのは2027年4月1日以降の申請からです。

Q:不許可になった場合、不服を申し立てることはできますか?

入管庁の手続案内では、永住許可申請の不服申立方法は「なし」とされています。

ただし、これは裁判所に処分の取消しを求める訴訟(取消訴訟)の可能性まで否定するものではありません。

訴訟には期間の制限もあるため、不許可処分を争う場合は弁護士にご相談ください。

改めて申請する場合、2027年4月1日以降の申請には改定後のガイドラインが適用されます。

Q:すでに永住者です。今回の改定で永住権を失うことはありますか?

このガイドラインは、永住許可を申請する際の審査の考え方を示したものです。

在留資格の取消し制度は従来からありますが、2027年4月1日からは永住者について、故意の公租公課の不払いなどの取消事由が追加されます。

これは今回のガイドライン改定とは別の改正です。

詳しくは永住権の取り消し制度の解説を、永住者として守るべき義務は永住者の義務に関するよくあるご質問をご覧ください。

Q:帰化の審査も厳しくなったと聞きました。永住とどう違いますか?

帰化は国籍法に基づく別の手続で、2026年4月1日から、日本社会への融和の判断で原則10年以上の在留を求めるなどの審査運用の見直しが行われています。

詳しくは帰化の厳格化の解説をご覧ください。

まとめ

まとめ

永住許可の厳格化は、2026年10月1日の「永住許可に関するガイドライン」の改定によるものです。

適用は申請日によって異なり、2026年10月1日からは同年4月1日以降の申請に収入の基準が、2027年4月1日以降の申請には改定後のガイドライン全体が適用されます。

  • 収入は、世帯年収を世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入と比べる
  • 2027年4月1日以降は、年金の受給見込額・日本語能力・制度の理解・子の就学が加わる
  • 日本人等の配偶者の特例は、実体を伴う婚姻生活5年以上の継続と、引き続き3年以上の在留に延びる

年収水準などの具体額は公表されない方針で、日本語能力の確認方法は2027年4月の運用開始までに公表される予定です。

申請前に入管庁の最新情報をご確認ください。

ご自身の申請時期にどの基準が適用されるかなど、個別の事案については専門家へのご相談をおすすめします。

さむらい行政書士法人では永住許可申請のサポートを行っています。


※本記事は2026年10月時点の入管法令・公開情報をもとに作成しています。法令改正等により内容が変更される可能性があるため、最新の情報は出入国在留管理庁の公式サイト等でご確認ください。個別の事案については行政書士等の専門家へのご相談を推奨します。