家族滞在でパチンコ店のアルバイトはできますか?

在留資格『家族滞在』の方は、2026年(令和8年)10月1日から、資格外活動の個別許可を受ければ、ぱちんこ店などの遊技場営業店舗でアルバイトができます。

資格外活動許可は、在留資格で認められた活動以外に、アルバイトなど報酬を受ける活動をするための許可です。

すでにお持ちの「週28時間以内」の包括許可だけでは、遊技場営業店舗では働けません。

勤務先の店舗ごとに個別許可を受け、許可が出てから働き始める必要があります。

対象は『家族滞在』の方に限られ、『留学』の方などは対象外です。ほかのアルバイトと合わせて週28時間以内に収めるルールも変わりません。

この記事では、対象となる方、働ける店舗、許可の要件、必要書類、申請の流れを順に解説します。

2026年10月1日から何が変わったのか

これまで『家族滞在』の方は、資格外活動許可を受けていても、パチンコ店などの風俗営業の営業所では、原則として働けませんでした。

2026年10月1日からは、『家族滞在』の方に限り、この取扱いが見直されています。まずは変更前と変更後を比べて確認します。

許可の種類2026年9月30日まで2026年10月1日から
包括許可(週28時間以内)風俗営業等が営まれている営業所では働けない変わらない(包括許可だけでは働けない)
個別許可風俗営業等が営まれている営業所での活動は、原則として許可の対象外遊技場営業店舗(ぱちんこ店等)での活動について、個別許可を受けられる

今回の見直しは、資格外活動許可(出入国管理及び難民認定法〔以下、入管法〕第19条第2項)の取扱いを、出入国在留管理庁(以下、入管庁)が変更したものです。要件と必要書類は、入管庁の案内ページで公表されています。

厚生労働省も、『家族滞在』の方に向けたチラシと事業主の方に向けたチラシで、この取扱いを周知しています。

対象になる方・ならない方

今回の個別許可を受けられるのは、在留資格『家族滞在』の方だけです。

似た立場の在留資格でも対象外のものがあるため、まずは在留カードでご自身の在留資格をご確認ください。

在留資格遊技場営業店舗での個別許可
家族滞在対象
留学対象外
特定活動(外国人の扶養を受ける配偶者・子などとして、日常的な活動を指定されている方)対象外

扶養者の方が『留学』で在留している場合でも、ご本人の在留資格が『家族滞在』であれば対象になります。

注意したいのは、扶養を受ける配偶者・子として指定された『特定活動』の方です。

資格外活動許可では、この『特定活動』は原則として『家族滞在』の取扱いに準じます。

しかし、遊技場営業店舗での個別許可については、入管庁が対象外と明示しています。

「家族滞在と同じ扱い」と考えて準備を進めないようご注意ください。

なお、日本で生まれたお子様が『家族滞在』の在留資格を取得する手続き(在留資格取得許可申請)については、出生から30日を超えて在留資格取得許可申請を行った事例もご参照ください。※個別事案により判断は異なります。

働ける店舗と、引き続き働けない店舗

個別許可の対象となるのは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法)の一部の営業について、許可を受けた店舗に限られます。

パチンコ店以外にも対象となる業態がある一方で、引き続き働けない店舗もあります。

対象は、風営法第3条第1項の許可のうち、第2条第1項第4号または第5号の営業の許可を受けている店舗です。

区分主な業態個別許可
第4号の営業まあじゃん屋、ぱちんこ屋など対象
第5号の営業スロットマシン、テレビゲーム機などの遊技設備を備えた店舗(いわゆるゲームセンター等)対象
接待飲食等営業スナック、バーなど対象外
性風俗関連特殊営業・特定遊興飲食店営業 など—対象外

勤務先がどの営業の許可を受けているかは、営業許可証で確認できます。

申請の際にも営業許可証等の写しを提出するため、採用が決まった段階で勤務先に確認しておくとスムーズです。

風営法上どの営業に当たるかの判断は、勤務先や所轄の警察署にご確認ください。

個別許可を受けるための5つの要件

遊技場営業店舗での個別許可は、次の5つの要件のすべてに適合すると認められる場合に、勤務先と業務内容などを定めて許可されます。

通常の資格外活動許可と一部の要件が異なるため、違いも含めて確認します。

要件1:資格外活動許可の一般原則のうち4つに適合すること

資格外活動許可には7つの一般原則があり、今回の個別許可ではそのうち4つが求められます。

  • 『家族滞在』としての活動(扶養を受けて日常生活を送ること)の遂行を妨げないこと
  • 現に『家族滞在』としての活動を行っていること
  • 収容令書の発付や、意見聴取通知書の送達・通知を受けていないこと
  • 素行が不良でないこと

一般原則の中には「風俗営業等が営まれている営業所での活動ではないこと」も含まれていますが、この個別許可では求められません。

その代わりに、要件2〜5で、勤務先の許可や誓約書などが求められます。

要件2:法令に違反する活動でないこと

申請する活動が、刑事・民事を問わず、法令に違反すると認められる活動でないことが必要です。

要件3:勤務先が風営法第2条第1項第4号・第5号の営業許可を受けていること

前の章で説明したとおり、勤務先が該当する営業の許可を受けている必要があります。

要件4:勤務先が誓約書を提出すること

勤務先は、次の3つの事項を誓約する誓約書(入管庁の参考様式あり)を作成します。

  1. 「外国人雇用状況の届出」など、外国人を雇用する事業主に義務付けられている法令上の規定を守ること
  2. 雇用した外国人(申請人以外の外国人も含みます)に、特定在留カードの取得を勧めること
  3. 雇用した外国人が複数の資格外活動を行っている場合(遊技場営業店舗に限りません)、すべての資格外活動の時間の合計が週28時間以内であることを定期的に確認すること

特定在留カード(在留カードとマイナンバーカードが一体になったカード)については、特定在留カードの解説をご覧ください。

要件5:すべての資格外活動の合計が週28時間以内であること

包括許可・個別許可を問わず、受けているすべての資格外活動許可に係る活動時間の合計が、1週について28時間以内である必要があります。

必要書類

申請には、申請書のほか、勤務先に用意してもらう書類があります。

勤務先と分担して準備を進めると、手続きが円滑に進みます。

書類内容主に用意する方
資格外活動許可申請書入管庁の様式(記載例あり)ご本人
活動内容や活動時間、報酬等を説明する文書任意様式ご本人(勤務先と確認のうえ)
勤務先作成用誓約書入管庁の参考様式あり勤務先
申請人作成用誓約書入管庁の参考様式ありご本人
営業許可証等の写し風営法第2条第1項第4号・第5号の営業許可を受けていることを示すもの勤務先
その他の資格外活動の状況を説明する文書申請する活動を含め、週28時間以内であることを示す資料ご本人
在留カード・旅券または在留資格証明書(提示)申請時に提示ご本人

資格外活動許可の申請に、手数料はかかりません。

様式と記載例は、入管庁の「遊技場営業店舗における資格外活動許可について」のページから入手できます。

審査の過程で、上記以外の資料の提出を求められる場合もあります。

申請から勤務開始までの流れ

個別許可は、勤務先が決まってから申請し、許可を受けてから働き始めます。

申請中に働くことはできないため、勤務開始日は許可の時期に合わせて調整してください。

  1. 勤務先と雇用契約を結ぶ:ほかのアルバイトと合わせて週28時間以内になる勤務時間で契約します。
  2. 必要書類をそろえる:勤務先作成用の誓約書と営業許可証等の写しを、勤務先から受け取ります。
  3. 地方出入国在留管理官署に申請する:住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に提出します。
  4. 許可を受ける:許可の内容(勤務先・業務内容など)は、旅券に貼付される証印シールまたは資格外活動許可書に記載されます。
  5. 許可された範囲で勤務を始める:許可された勤務先・業務内容の範囲で働きます。

資格外活動許可申請の標準処理期間は、入管庁によると2週間〜2か月です。

資格外活動許可のオンライン申請は、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請・在留資格取得許可申請と同時に行う場合に限られます。

申請は、ご本人のほか、地方出入国在留管理局長に届け出た行政書士などが取り次ぐこともできます。

週28時間の数え方

『家族滞在』の方の資格外活動は、すべてを合わせて週28時間以内が上限です。

遊技場営業店舗の個別許可を受けても、上限の時間が増えるわけではありません。

合計の対象になるのは、包括許可で行っているアルバイト、遊技場営業店舗の個別許可による勤務、追加で許可を受けたほかの店舗での勤務のすべてです。

たとえば、コンビニエンスストアで週20時間働いている方が新たにパチンコ店で働く場合、パチンコ店で働けるのは週8時間までです。

掛け持ちをしている場合の数え方など、28時間ルールの詳細は、資格外活動許可と28時間ルールの解説をご覧ください。

なお、『留学』の方に認められている、教育機関の長期休業期間中は1日について8時間以内まで働ける取扱いは、『家族滞在』の方にはありません。

雇用する遊技場の方へ:採用時の確認事項

『家族滞在』の方を採用される遊技場のご担当者様は、許可の確認と勤務時間の管理が欠かせません。

法令で義務付けられている事項と、誓約書で約束する事項を分けて押さえておくと整理しやすくなります。

区分内容
法令上の義務外国人の雇入れ・離職の際の「外国人雇用状況の届出」(労働施策総合推進法第28条。ハローワークへ届出)
誓約書で約束する事項外国人雇用状況の届出など法令上の規定の遵守、雇用した外国人への特定在留カードの取得推奨、すべての資格外活動の合計が週28時間以内であることの定期的な確認

採用の際は、許可を受ける前に勤務させないでください。

許可が出たら、証印シールまたは資格外活動許可書で、勤務先と業務内容が自店舗のものになっているかを確認します。

あわせて、在留カードで在留資格と在留期限も確認します。

在留カードの見方は在留カードの解説をご参照ください。

許可を受ける前の勤務や、週28時間を超える勤務は、ご本人にとっては資格外活動の違反となり、雇用した事業主も不法就労助長罪(入管法第73条の2)に問われる可能性があります。

詳しくは不法就労助長罪の解説と不法就労の外国人を雇わないための注意点をご覧ください。

よくあるご質問

『家族滞在』の方や、採用を検討している遊技場の方からよくいただくご質問をまとめました。

Q:すでに包括許可を持っています。そのままパチンコ店で働けますか?

A:働けません。包括許可は、風俗営業等が営まれている営業所での活動を含まないためです。

遊技場営業店舗で働く場合は、別に個別許可を受ける必要があります。包括許可と個別許可の両方を受けることもできます。

Q:別の店舗に移る場合や、2つの店舗で働く場合はどうなりますか?

A:個別許可は勤務先と業務内容を定めて出されるため、別の店舗で働く場合は、その店舗分の許可を追加で受ける必要があります。

複数の店舗で働く場合も、すべての資格外活動の合計が週28時間以内でなければなりません。

Q:高校生の子ども(家族滞在)も働けますか?

A:入管庁の案内では、対象は『家族滞在』で在留する方とされており、年齢による区別は示されていません。

ただし、18歳未満の方の就業には、入管の許可とは別に、風営法や労働基準法による年少者のための制限があります。

たとえば労働基準法では、原則として、18歳未満の方を午後10時から午前5時までの間に働かせることはできません(第61条)。

許可の要件には「法令に違反する活動でないこと」も含まれます。勤務先に年齢を伝え、働ける時間帯や業務内容を確認してから準備を進めてください。

Q:『留学』の場合も、パチンコ店でアルバイトができますか?

A:できません。今回の取扱いは『家族滞在』の方に限られており、『留学』の方は対象外と明示されています。

まとめ

『家族滞在』の方のパチンコ店などでのアルバイトについて、要点を整理します。

  • 2026年10月1日から、『家族滞在』の方に限り、個別許可を受ければ遊技場営業店舗(ぱちんこ店等)で働ける
  • 包括許可だけでは働けない。店舗ごとに個別許可を受け、許可が出てから働き始める
  • 『留学』の方と、扶養を受ける配偶者・子として指定された『特定活動』の方は対象外
  • 対象は風営法第2条第1項第4号・第5号の営業許可を受けた店舗。スナック・バーなどの接待飲食等営業は引き続き対象外
  • すべてのアルバイトを合わせて週28時間以内

家族滞在の資格外活動許可についてご不明な点がある方は、さむらい行政書士法人までお問い合わせください。


※本記事は2026年10月時点の出入国在留管理庁の公表情報をもとに作成しています。取扱いが変更される可能性があるため、最新の情報は出入国在留管理庁「遊技場営業店舗における資格外活動許可について」等でご確認ください。個別の事案については、行政書士等の専門家へのご相談をおすすめします。

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